【完全版】バリスタの水が出ない!赤点滅時の修理と空気抜き対処法

こんにちは。「極・珈琲時間(Kiwami Coffee Time) – 憧れの銘柄と最高の一杯 -」、運営者の「コウノ」です。朝の忙しい時間に、いつものようにコーヒーを飲もうとしたらバリスタから水が出ない。タンクには水が入っているのに、ウィーンと音だけして抽出されないトラブルは本当に困りますよね。私自身も何度も経験がありますが、実はこれ、故障ではなくメンテナンス不足やちょっとした空気のいたずらであることがほとんどなんです。ネットで検索するとストローを使って吸う方法やピンチバルブの掃除といった情報が出てきますが、中にはリスクのある方法も混ざっています。赤点滅している時の正しい空気抜きのやり方や、修理に出す前に自宅でできる安全な復旧手順を、私の経験を交えて分かりやすく解説しますね。
- 給水タンクの着脱やお湯を使った安全な空気抜きの具体的な手順
- ネットで噂されるストロー法のリスクと推奨される正しい解消法
- 水が出ない最大の原因である撹拌部の固着汚れを落とす分解洗浄
- 修理や買い替えを検討する前に試すべきデスケールと最終確認事項
バリスタに水があるのに出ない原因と赤点滅の意味
タンクにたっぷり水が入っているのに、なぜかマシンの機嫌が悪い。そんな時、焦って手当たり次第にボタンを押してしまいがちですが、まずは落ち着いて状況を整理することが大切です。ここでは、バリスタが「ダンマリ」を決め込む主な技術的な理由と、ネット上で飛び交う様々な噂の真偽について、マシンの構造的な視点から紐解いていきます。
給水タンクの空気抜きでストローを使う危険性
検索画面で「バリスタ 水が出ない」と入力すると、サジェスト(予測変換)の上位に必ずと言っていいほど出てくるのが「ストロー」というキーワードです。皆さんも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。これは、給水タンクを外した本体側の給水口にストローを強く押し当て、息を吹き込んだり、逆に思い切り吸い出したりすることで、ポンプ内の空気を強制的に動かそうとする、いわば「裏技」的な対処法です。
確かに、ネット上の掲示板やSNSでは「これで直った!」という声も散見されますし、物理的な理屈だけで言えば、圧力をかけることでエア噛みを解消できる可能性はゼロではありません。しかし、私はこの「ストロー法」を強く否定しますし、絶対におすすめできません。

その理由は大きく分けて2つあります。
1. 衛生面での深刻なリスク
バリスタは、私たちが口にする飲み物を作る機械です。そこに、人の口が直接触れたストローを差し込む行為は、どれだけ気をつけても雑菌(バクテリア)を内部に送り込むことになります。特に、給水経路は常に湿っているため、侵入した雑菌が繁殖し、「バイオフィルム(ぬめり)」を形成する温床になりかねません。美味しいコーヒーを飲むはずが、見えない雑菌培養装置を使ってしまっている…なんて想像したくもないですよね。
2. 内部機構の破損リスク
これが最も怖い点ですが、バリスタの内部には、水の逆流を防ぐための非常に繊細な「チェックバルブ(逆止弁)」や、細いシリコンチューブが張り巡らされています。人間の肺活量というのは意外と馬鹿にならず、思い切り息を吹き込んだり吸ったりした時の圧力(正圧・負圧)は、これらのパーツの設計許容範囲を簡単に超えてしまうことがあります。
もし、過度な圧力で弁がひっくり返ったり、チューブの接続部が外れてしまったりしたら、それはもう「メンテナンス」ではなく「破壊」です。水漏れの原因にもなりますし、最悪の場合、基板がショートして完全に再起不能になります。
ストロー法は、一時的に水が出るようになっても、マシンの寿命を確実に縮める可能性がある「諸刃の剣」です。もちろん、メーカーの公式サポートでも一切推奨されていない危険な方法ですので、興味本位で試すのは避けるのが賢明です。
本体を吸うことなく空気噛みを解消する裏技
「じゃあ、ポンプの中に空気が入ってしまったら(エア噛み)、どうすればいいの?」と思いますよね。実は、特別な道具を使わなくても、もっと安全で、しかも効果的な方法があるんです。それが、給水タンクの「自重」と「物理的な動き」を利用したテクニックです。
まず、なぜ「エア噛み(エアロック)」が起きるのかを簡単に説明しますね。バリスタに使われている「振動ポンプ」は、ピストンを高速で振動させて水を送る仕組みなんですが、このポンプは「水を掴む」のは得意でも、「空気を掴む」のは苦手なんです。一度ポンプ室内に空気が入ってしまうと、ピストンが空を切ってしまい、いつまで経っても水を吸い上げられなくなります。これが、あの「ブーン!」という大きな音がしているのに水が出ない現象の正体です。
この状態を解消するには、ポンプの入り口まで強制的に水を送り込んで、「呼び水」をしてあげる必要があります。そのための最も安全な手順がこちらです。

【今日からできる安全なエア抜き手順(タンクガチャガチャ法)】
- まず、給水タンクに水を満タンに入れます。(水圧を高めるためです)
- タンクをバリスタ本体にセットします。
- その状態で、タンク全体を掴み、上下に「ガシャン、ガシャン」と数回、強めに動かします。
- こうすることで、タンク底面のバルブが開閉を繰り返し、その勢いで水が「ポコッ」と本体側に送り込まれます。
- タンク内から気泡が上がってくるのが見えたら成功のサインです。
- そのまま抽出ボタンを押して、動作を確認してみてください。
この方法は、単にタンクをセットし直すだけでなく、意図的にバルブを動かして水流のきっかけを作ってあげるのがポイントです。最初は「壊れないかな?」と心配になるかもしれませんが、垂直方向に動かす分には問題ありません。ストローで肺活量勝負をするよりも、よっぽど理にかなった、マシンの構造を利用した「正しい裏技」なんですよ。
ピンチバルブ周辺の詰まりとメンテナンス
ネットで解決策を探していると、「ピンチバルブを掃除しましょう」という記事を見かけることがあります。「ピンチバルブ?どこにあるの?」とマニュアルを探しても、そんな部品名は載っていませんよね。実はこれ、バリスタのメンテナンスにおいて、多くのユーザーが誤用している用語なんです。
本来の「ピンチバルブ」は、チューブを外側から挟んで流体を止める部品のことですが、バリスタのトラブル文脈で語られる場合、その多くは「撹拌部(かくはんぶ)のフィルター」や「給湯ノズルの先端」を指していることがほとんどです。
この「撹拌部」こそが、バリスタにおけるトラブルの震源地と言っても過言ではありません。ここでは、お湯とコーヒーパウダーが猛烈な勢いで衝突し、あのフワフワのクレマ(泡)を作り出しています。しかし、その構造上、コーヒーのしぶきが飛び散りやすく、非常に汚れやすい場所でもあるのです。
なぜ「水が出ない」原因になるのか?
インスタントコーヒーの粉(ソリュブルコーヒー)は、湿気を吸うとベタベタのペースト状になります。抽出が終わった後、撹拌部の中に残ったコーヒー液や飛び散った粉が、時間の経過とともに乾燥すると、まるで接着剤やセメントのようにカチカチに固まってしまいます。
こうなると、いくらポンプが正常に動いていても、出口が完全に塞がれてしまっているので、水は一滴も出てきません。ユーザーから見れば「壊れた」ように見えますが、実際には「栓がされている」だけなんです。

特に、「久しぶりにバリスタを使おうとしたら出なかった」というケースは、ほぼ100%このパターンの固着が原因です。前回使った時の汚れが、長い時間をかけて石のように硬化してしまったんですね。
ですので、「ピンチバルブ」を探す必要はありません。あなたが探すべきは、黒いプラスチックの部品、「撹拌部」の洗浄方法です。この後、分解掃除のパートで詳しく解説しますが、まずは「水が出ない原因の多くは、見えないところでのコーヒーの固着である」ということを覚えておいてください。
故障ではない異音やエラー表示の見極め方
バリスタが動かなくなった時、マシンは音と光で私たちにメッセージを送ってくれています。ただ、そのメッセージが少し分かりにくいのが難点ですよね。ここでは、修理を考える前に知っておくべき「音」と「光」の診断表を公開します。これを知っているだけで、無駄な操作をせずに済みますし、冷静に対処できるようになります。
1. 「音」で診断するポンプの状態
抽出ボタンを押した後、どんな音が聞こえるか耳を澄ませてみてください。

| 聞こえる音 | 状態の推測 | 対処法 |
|---|---|---|
| 「ブーン!」 (いつもより大きく乾いた音) |
エアロック(空気噛み) ポンプが水を吸えずに空転し、高速で振動している音です。負荷がかかっていないため音が大きくなります。 |
タンクのエア抜き(ガチャガチャ法)やお湯入れ替えを試してください。 |
| 「ウーン…」 (低くこもって苦しそうな音) |
物理的な詰まり ポンプは水を送ろうと頑張っていますが、出口(撹拌部)が塞がれていて水が進まない音です。高い圧力がかかっています。 |
直ちに使用を中止し、撹拌部を完全分解して掃除してください。 |
| 「カチッ、カチッ」 (断続的な音) |
スケール(湯垢)堆積 ヒーター内部の流路が狭くなっており、お湯がスムーズに流れていません。 |
デスケール(湯垢洗浄)が必要です。 |
| 無音 | 電気系統のトラブル ポンプ自体に通電していない、または安全装置が作動しています。 |
一度コンセントを抜き、20分ほど休ませてから再起動を試してください。 |
2. 「光」で見るエラー表示(赤点滅)
「赤点滅」と言っても、どこが光っているかで意味が全く違います。
- 電源ボタンが赤点滅: 多くの場合はマシン内部のオーバーヒート(過熱)や、電気的なエラーです。連続で使用しすぎた場合などに出ます。まずはコンセントを抜いて休ませましょう。
- 給水表示(水滴マーク)が赤点灯/点滅: 「水が入っていない」という警告ですが、水が入っているのにこれが出る場合は、「タンクがしっかりハマっていない」か「エア噛み」の合図です。バリスタ50(フィフティ)などでは、タンク底面のフロート(白い浮き)がカルキで固まって動かなくなっているケースも多いので、指で突っついて動くか確認してみてください。
お湯を入れてポンプの給水不全を直す方法
タンクをガチャガチャ動かしても、どうしても水が吸われない…。特に冬場の寒い朝などには、ポンプ内の弁が硬化したり、水の粘度が上がったりして、エア抜きがうまくいかないことがあります。そんな時に試してほしい、とっておきの切り札があります。それは、「タンクの水をぬるま湯に変える」という作戦です。
「え、お湯を入れていいの?」と驚かれるかもしれませんが、ここでのポイントは「熱湯」ではなく「ぬるま湯(40℃前後)」を使うことです。

【なぜお湯が効くのか?】
水は温度が上がると「粘度(ねばりけ)」が下がり、サラサラになります。また、「表面張力」も下がるため、狭い隙間にも入り込みやすくなるんです。つまり、冷たい水では弾かれてしまっていたポンプ内部の微細な隙間に、お湯ならスッと入り込んで、呼び水の役割を果たしてくれるというわけです。
実践!ぬるま湯レスキュー手順
- 給水タンクの水を一度全て捨てます。
- お風呂のお湯くらいの温度(約40℃)のぬるま湯を用意し、タンクに入れます。
※沸騰したお湯は、タンクが変形する原因になるので絶対に入れないでください。 - タンクをセットし、再度「ガチャガチャ」と上下運動させてエアを抜きます。
- カプチーノボタンやマグサイズボタンを押し、お湯が通るか確認します。
この方法は驚くほど効果があります。私自身、「もう壊れたかも」と諦めかけたバリスタを、このぬるま湯作戦で何度も蘇らせてきました。もし、何をやってもダメな時は、修理に出す前に最後にこれを試してみてください。
バリスタに水があるのに出ない時の分解掃除と修理
エア抜きを試しても、ぬるま湯を使っても改善しない場合。それはもう「空気」の問題ではなく、もっと物理的な「頑固な汚れ」が原因である可能性が極めて高いです。ここからは、少し面倒に感じるかもしれませんが、トラブルを根本から解決するための「分解掃除」と、どうしても直らない場合の判断基準について深掘りしていきます。ここを乗り越えれば、美味しいコーヒーはすぐそこです!
撹拌部を分解し専用ピンでノズルを掃除する
バリスタの水が出ないトラブルの「ラスボス」とも言えるのが、撹拌部(抽出ノズル)の完全な詰まりです。先ほどもお話ししましたが、ここはコーヒー汚れが最も蓄積する場所。表面をサッと水洗いするだけでは、内部の動脈硬化のような詰まりは絶対に取れません。
ここでは、私が実践している「完全分解洗浄」の手順をご紹介します。マニュアルをなくしてしまった方も、この通りにやれば大丈夫です。
Step 1: 撹拌部の取り外しと分解
まず、前面のコーヒー抽出部のカバーを手前に引いて外します。すると、中に黒い(機種によっては一部青や緑の)レバーが見えるはずです。このロックレバーを下に下げると、撹拌部全体がポロッと手前に引き抜けます。
ここからが重要です。引き抜いた撹拌部を、そのまま洗っていませんか?
必ず「フィルター部」と「カバー部」に分解してください。

撹拌部の裏側を見ると、小さなツメで固定されているのが分かります。これを指で押し込みながらひねると、2つのパーツに分かれます。この中を見ると…おそらく、ねっとりとしたコーヒーの塊や、カチカチに固まった粉がこびりついているはずです。
Step 2: お手入れピンによる「開通手術」
洗浄の仕上げにして最大の山場が、マシンに付属している(あるいは別売りの)「お手入れピン」を使った作業です。「そんなの持ってたっけ?」という方は、給水タンクの裏側の隙間や、ドリップトレイの裏などを探してみてください。もし紛失してしまった場合は、ゼムクリップを伸ばしたものでも代用できなくはないですが、やはり専用ピンが入手できればベストです。
撹拌部の中央にある、針の穴のような小さな穴。ここが、お湯が噴出するジェットノズルです。ここにピンを真っ直ぐ差し込み、奥まで貫通させます。

ゴリゴリとした感触があれば、それが詰まりの原因である固着したコーヒーです。これを突き崩さない限り、どんなに洗っても水は出てきません。
Step 3: ぬるま湯でのつけ置き
ピンで穴を通したら、最後に40℃程度のぬるま湯に10分〜30分ほどつけ置きします。中性洗剤を少し垂らしておくと、油分(コーヒーオイルやクレマの成分)も分解されてより効果的です。最後にしっかりと水ですすぎ、完全に乾かしてから元通りに組み立ててください。
「カチッ」と音がするまでロックレバーを上げるのを忘れずに。これが不完全だと、また別のエラー(赤点滅)が出てしまいます。
バリスタ50などで赤点滅が続く場合の対応
バリスタ50(フィフティ)やバリスタW(ダブリュー)、Duo(デュオ)などの比較的新しいモデルでは、マシンが賢くなった分、センサーが敏感になり、エラー表示も複雑になっています。
特に多い相談が、「掃除をしたのに給水表示の赤点滅が消えない」というケースです。これは、マシンの「目」であるセンサー自体が汚れている可能性が高いです。

チェックすべき3つのポイント
- タンク底面のフロート(浮き): 先ほども触れましたが、タンクの中に白いリング状の浮きが入っています。これが水を入れるとプカプカ浮くはずなのですが、水垢でレールにへばりついていると、水が入っても「水なし」と判定されてしまいます。菜箸などで突っついて、スムーズに動くか確認してください。
- 本体側のセンサー窓: 給水タンクをセットする本体側の窪みに、黒い小さな窓のような部分があります。ここが汚れていると、タンクの有無や水量を正しく検知できません。濡らした綿棒などで優しく拭き取ってください。
- トップカバーのセンサー(バリスタWなど): コーヒータンクが入っている上部の蓋(トップカバー)が完全に閉まっていない、あるいはそこのセンサーが粉で汚れている場合も、安全のために動作を停止して赤点滅します。ここも掃除機で粉を吸い取り、拭き掃除をしましょう。
また、これらのセンサー掃除を行ってもエラーが消えない場合は、システム的なエラーリセットが必要です。電源プラグを抜き、そのまま1分以上放置して、内部のコンデンサに残った電気を放電させてから、再度電源を入れてみてください。パソコンの再起動と同じで、これだけでケロッと直ることも意外と多いんですよ。

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